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福岡市 英語塾

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時事英語で覚える英語

2022年10月  イランのニュースから thatの用法

  • 2022年10月の、イランでの女性たちによる反政府デモや抗議に関するCNNの記事から引用して、解説していきます。

    イランでは、女性が警察に殺されたことをきっかけに、女性たちを中心に大規模なデモが起こり、女性差別的だった政権への抗議、反政府活動が激しくなりました。

    That Iranians are risking their lives and freedom to stand up to their government has sparked hope among many that change is coming.   
          − CNNより引用
  • 英文の読解のときに、学生を悩ますものに
    1つの単語に多数の品詞と意味があるというものがあります。
  • 典型的な例が、thatという単語です。
    主な用法だけでも

    1.「あれは」という意味の
    名詞の働き
    2.「あの〜」という意味の
    形容詞の働き

     上は、中1で習っているので、簡単ですね。

    3.「〜ということ」という意味の接続詞で、名詞の働きをする
    「名詞節」を導くもの

    4.名詞の単語の後に続いて、その単語の内容を説明する
    「同格節」を導くもの

    5.名詞の単語(先行詞と言います)の後に続く、
    「関係代名詞」

    その他もまだたくさん用法があります。
  • このように、たくさんの用法があり、英文を読むときには、どの意味なのかを決めながら読んでいかないといけません。
    これが、学生にとっては難しいわけです。

  • では、どうすればよいのかと言うと、

    1.
    品詞と文型を考えて文を理解すること
    2.
    主語と目的語は名詞しかなれません
      名詞があれば主語か目的語と考えましょう。
        (補語のこともありますが)

    上のルールを、もっとも大切な英文読解ルールとして覚えておいてください。


  • では、上の考え方に沿って
    下の文を見ていきましょう。


    That Iranians are risking their lives and freedom to stand up to their government has sparked hope among many that change is coming.  
       −CNNより引用

    ●誤読 例1

    That Iranians are risking their lives

    thatを、
    2.「あの〜」という意味の形容詞の働き と誤解して、
    「あのイラン人たちは、命の危険を冒している」と取りそうですが、
    Iraniansが複数形なので、
    Those Iraniansとなるはずですから、間違いです。

    このように、文法に則して意味が決まっていきます。


    ●誤読 その2
    「同格節」や「関係代名詞」であれば、前に名詞があるはずですが、何もありませんので、これも間違いです。

    というわけで、

    3.「〜ということ」という意味の接続詞で、名詞の働きをする名詞節を導くもの。

    の可能性が高くなります。





    That Iranians are risking their lives and freedom to stand up to their government(ここまでが名詞節で主部)/ has sparked(動詞) hope among many that change is coming.

  • has sparked という、現在完了の動詞部分が出てくることで、
    その前の部分は、
    主部=名詞にあたるもの=名詞節 のはずです。

    こうして、この文のthatは、

    「〜ということ」という意味の接続詞で、名詞の働きをする名詞節を導くもの。
    と決定します。
  • that節が、あまりに長いので、学生たちは、誤読してしまいそうです。
    has sparked という、現在完了の動詞部分が出てきたときに、その前が全部
    主部=名詞にあたるもの=名詞節 のはずだと気づいてください。

    常に、SやVに気を配って。読解しましょう。

  • That Iranians are risking their lives and freedom to stand up to their government(ここまでが主部となる名詞節)/ has sparked(動詞) hope(目的語) among many that change is coming.


    hopeという単語も、名詞と動詞があるので、また迷ってしまいますが、
    「主語と目的語は名詞しかなれません」というルールで
    sparkの目的語で、名詞であると決まります。

    このように、常に
    「名詞かどうか」
    「名詞なら主語か目的語か補語のはず」
    と考えながら、読解しましょう。


  • that change is comingでもまた、thatがあります。
    学生がしそうな誤読は以下です。


    ●誤読 1 形容詞と取る

    「あの変化が来つつある」


    ●誤読 2 名詞節と取る
    「変化が来つつあるということ」


    ●誤読 3 関係代名詞と取る
     先行詞はmanyで
    「変化が来つつある多くのこと」
  • さて、いずれも、前後とのつながりがおかしいですね。

    実は、このthatは
    4.名詞の単語の後に続いて、その単語の内容を説明する「同格節」を導くもの。
    が正解です。

    hopeという名詞の内容を説明する「同格節」で、
    「変化が来つつあるという希望」という意味です。

    名詞のhopeとthatが離れているので、学生たちは「同格節」に気づかないかもしれません。

  • 英語では、長いものは後ろに回されることが多く

    hope(目的語) /同格節that change is coming / among many
    が元々の形です。

    「長いものは後ろに回されることが多い」ために、学生たちは見慣れない形に迷わされることになります。

    amongの後ろのmanyもまた品詞を考えてください。
    「多くの〜」という形容詞と取る学生がいるかもしれません。

    amongは前置詞ですので
    「前置詞の目的語には名詞が来る」というルールにしたがい
    manyは名詞で、ここでは「多くの人たち」という意味が決まります。

    That Iranians are risking their lives and freedom to stand up to their government(ここまでが名詞節で主部)/ has sparked(動詞) hope(目的語) among many /(同格節)that change is coming.

    ≪訳≫
    イラン人たちが、自国政府に抗議するために、自分たちの命と自由を危険にさらしているということが(ここまでが主部)、
    変化が来つつあるという希望を
    多くの人々に持たせた。

    ここまでの説明で、
    「名詞かどうか」が、非常に重要な判断材料になることがおわかりでしょうか。



    ★名詞は、主語、目的語、補語になることができます。
     名詞が出てきたら、S、O、Cのどれかのはずですから、どれかを考えて、文型を決定します。
     また、SとOは絶対、名詞しかなれません。
     前置詞の目的語も絶対名詞です。

    英文を読むときは名詞かどうかを考えながら読んでください。




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